Jリーグを放映する「DAZN」に未来はあるのか
2月25日(土)より開幕した明治安田生命Jリーグ。2016シーズンまで生放送していたスカパー!が撤退し、今シーズンよりDAZNがJリーグの中継を担当している。しかし、開幕して2日目で問題点が多数浮上した。DAZNはJサポの心をつかめるのか、そして未来はあるのか。その点を徹底検証したい。
DAZNとは?
DAZNとは、イギリスの「パフォームグループ」が提供している映像中継事業です。2017年シーズンから10年間Jリーグの放映権を獲得し、中継することになっています。スカパー!では成し得なかった多くのカメラを使っての試合中継などを売りにしており、開幕前から期待されていました。
これが実際にDAZNで使われている映像です。Youtubeから引っ張ってきているため、画質は若干違うところもありますが、概ね同じと言っても過言ではないでしょう。確かに、今までと違ってゴールシーンが迫力満点などの魅力的な点がある一方、問題点も多数ありました。
問題点1「中継が中継じゃない」
DAZNは、Jリーグ全試合を生中継するということを公言しています。確かに、中継欄にはその日に開催されているJリーグの試合がすべて掲載されています。中継はされているのですが、遅延が酷いんです。ネット配信なので、多少の遅れ(30秒~1分)程度ならまだ許容範囲でしょう。(スカパーは遅れても数十秒でしたので、快適でした。)
しかし、DAZNは違います。
遅延が2分~3分
もあるんです!これおかしいですよね。いつでも・どこでも見れることを売りにしているにもかかわらず遅れが酷いんです。例えば、私は昨日のJ1開幕戦「大宮vs川崎F」をNACK5スタジアムまで見に行ってきました。試合終了直後、Twitterを開くとDAZNで見ていた人はまだ後半ATのコーナーキックの場面でした。
スカパー!時代は、試合終了直後に皆で感想を言い合えていたにも関わらず、DAZNになると遅延しているから数分待たなければいけない。興奮を書き込めないんですよ。ここは改善してほしい点ですね。
問題点2「映像が止まる」
2つ目は、映像が止まるという点です。ネット環境によって、当然映像が止まってしまうということは考えられます。だれでもそんな経験はしたことがあるはずです。しかしDZANは違います。だれでも止まるのです。いいですか?もう一度言います。だれでも止まります。(大事なことなので二回言いました)
DAZNはdocomoと提携し、DAZN for docomoを展開しています。ある方のツイートによるとDAZNのブースで流れている映像が止まっているようでした。公式ブースで映像が止まれば集客力は・・・(ry
月1,750円(税抜)という破格のやすさでも快適に見られないというのであれば、お金を払う価値があるのかなと疑問に思ってしまいます。自身の環境が悪く、快適に見られないというのであれば別ですが、公式の問題となるとちょっといただけないですね。
問題点3「見逃し配信でカットされる」
DAZNには見逃し配信機能が標準搭載されています。しかし、見逃し配信で後半の終了間際がカットされているとのことです。実際に、見逃し配信をチェックしてみました。J2第1節1日目の「愛媛vs金沢」の試合ですね。85分過ぎ以降の映像がカットされています。ちなみに、見逃し配信もそこで終わっています。
本日問題が発生いたしましたG大阪vs甲府の試合をJリーグ公式YouTubeチャンネルにて配信します。
— DAZN ダ・ゾーン ヘルプ (@DAZN_JP_Help) 2017年2月26日
前半 https://t.co/BuqoVnjDui
後半 https://t.co/dnOsDbLKqx
お客様には多大なご迷惑をおかけしており、深くお詫び申し上げます。
先ほどのG大阪vs甲府の試合は、Youtubeで無料配信されています。しかし、愛媛vs金沢の試合はそういった対処は無いほか、公式アナウンスすらありません。J2だからといって対応に差を設けているとは考えにくいのですが、もし差を設けているのであればこれは差別であり大問題ですね。早く対処してほしいものです。
問題点4「パケット代半端じゃない」
これね、多くのJサポが感じていると思います。DAZNをスマホで見ようとするとWi-Fiに繋いでいないとすぐ通信規制がかかります。ここでDAZNの推奨環境をおさらいしておきましょう。
インターネット通信環境
・標準画質(720p)での動画のご利用時に推奨されるインターネット接続スピードは、5.0Mbpsです。
・HD画質(1080p)での動画のご利用時に推奨されるインターネット接続スピードは、9.0Mbpsです。(引用元:DAZN)
実は、DAZNには画質の設定変更画面がありません。通信速度に応じて画質が変わります。例えば、スマホで試合を見るとします。LTEに対応している機種であれば自動的にHD画質になってしまいます。では、シミュレーションをしてみましょう。
HD画質の場合、通信量は1秒あたり9.0Mbpsです。試合は90分+ATですのでここでは便宜上、100分で計算します。1分=60秒なので100分=6000秒となります。
9.0Mbps×6000秒=54,000Mbps=約7GB(Googleに基づく試算)
ん?7GB?余裕で通信制限超えますね!現在、auやdocomoなどのキャリアで提供されているモバイルデータの最大通信量は30GB(データ定額プラン)です。30GBの場合、4試合見たらすぐに埋まってしまいますね。
応援しているチームだけを見るというのであれば4試合見れるので問題ないですが、他チームも見たいという場合は不便なのかもしれませんDAZNには自身で画質を変更できる設定を追加して欲しいところです。ちなみに、標準画質で100分試合を見た場合は、約4GB(Googleに基づく試算)ですので30GBを契約していれば7試合見れます。少し大目に見れますね笑
DAZNに未来はあるのか
問題点を挙げるとキリがないのでここまでにします笑
DAZNに未来はあるのでしょうか。私は、今すぐにでもJリーグ中継のサブライセンス権をスカパー!に販売し、スカパー!でも放送できるようにすべきではないのかなと思います。少なくとも今シーズンに限っての話ですが。
さっきもちらっと話しましたが、J1第1節2日目に行われたG大阪vs甲府の試合でこんなことがありました。
【お知らせ】現在、G大阪vs甲府のライブ配信がご覧いただけない状況です。大変申し訳ございません。出来るだけ早い復旧に向けて、現在作業中ですので、今しばらくお待ちください。
— DAZN ダ・ゾーン ヘルプ (@DAZN_JP_Help) 2017年2月26日
まさかの中継が見られないという事態です。なぜかVリーグ(バレーボール)のチャンネルでG大阪vs甲府の試合が放送されていたようですが・・・。ワケガワカラナイヨ。配信環境が整うまでは、DAZNとスカパー!の体制にして整い次第、DAZNでも良い気がしますがそれでは多分ダメなんでしょうね・・・。
今回はDAZNの問題点についてご紹介しました。これから本格的にJリーグが動き出します。次節、3月4日・5日でどれだけの問題点が出るのかに不安が残りますが改善されていることを願うばかりです。