ホームA自由席を指定化すべきか否か

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(Photo by 筆者)

昨日のエントリーにあるコメントが来た。

tanu-f.hateblo.jp

それは「ホーム自由の指定化で混雑の緩和を図ろう」という趣旨のものだ。この点について少し筆者の持論を展開してみたい。

ホーム自由席を指定化できない理由(考察)

昨日のエントリーですでに等々力のキャパは「限界」を迎えていると述べた。実際、私の周りでも「自由席が取れないから指定席に移動した」や「自由席が取れないから等々力に行くのをやめた」などの声がチラホラ聞こえる。それにくっつくように「自由席を指定席にしてしまえば良い」という意見も来る。しかし、筆者は反対である。なぜなら

Gゾーンが失われてしまうから

ではないだろうか。Gゾーンとはホーム自由席G柱付近にあるエリアのことで、応援団が陣取っているエリアでもある。このエリアはクラブが誕生し、応援団が結成されてからずっと守り続けられている場所で、川崎フロンターレの応援といったら「Gゾーン」という認識すらある。

それならGゾーン以外を指定席化してしまえばいいと思うかもしれない。しかしそれでも意味がない。なぜならGゾーンは試合によって横幅が動くからである。ゴール裏とGゾーンの間は物理的に拡張ができないので横に広がることはない。しかし、Gゾーン(メインスタンドから見て右側)からピッチ中央方面は大体試合によって応援エリアが変わってくる

というよりも、座ってみている人と立ってみている人が混在している。というのが正しい言い方かもしれない。つまり、指定席化してしまうと立って応援しながら見たいというニーズを弱めてしまうことになりかねないのである。

またGゾーンを指定席化してしまい、Gゾーンの住人をゴール裏に移すと今度はゴール裏がパンクしてしまい、応援に一体感を出すことができなくなってしまう恐れがある。それでは本末転倒ではないだろうか。

指定席と自由席では目的が違う

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(画像はイメージ)

これは筆者が身をもって体験したことなのだが、指定席と自由席では目的が大きく違う。筆者は、いつもはホーム自由席(Gゾーン)だが、時々メインSS指定・バックSS指定・メインS指定・ピッチサイドシートなどの指定席で見ることがある。少し客層を紹介しよう。

  • ホーム自由席(Gゾーン):フロンターレを応援する熱いエリア
  • メインSS指定:サッカーをはじめて見に来た人達が多くいるエリア
  • メインS指定:応援したいが席が取れなそうだから来たというエリア
  • バックSS指定:純粋にフロンターレを見に来ている人が多いエリア
  • ピッチサイドシート:主に写真を撮りたいが集っているエリア

こんな感じだろうか。メインSSとバックSSは初心者向きのエリアである。と言ってもチケット価格は上から2番目の価格帯であるため、”気軽に”来られるエリアではない。つぎにメインS指定は「ホームA自由で見たかったが席が取れないかもしれないからここで見る」という人が多いように感じた。試合によって異なるかもしれないが、応援の仕方やチャントを口ずさんでいる人が多い印象。

ピッチサイドシートは、カメラを構えている人が多く、特に後半に選手がゴールを決めたときなど駆け寄ってくることが多く、そういった写真を撮るのに最適なエリアなのかもしれない。

ホームA自由を指定席化することによって生まれるメリット

それは「混雑の緩和」と「チケット収入のアップ」だろう。ホームA自由を指定席化してしまえば、列抽選の必要もなくなり混雑は緩和される。特に試合に行く際に「席がなくなってしまう」など焦る必要もないため、ふろんパークでゆっくりと遊んでから試合を楽しむことができるだろう。

また「チケット収入もアップ」する。指定席化するということは少なからずともチケット価格は改定されるだろう。現状、後援会会員の前売り代金で1,900円と安く、指定席化して2,500円などにしてしまえば、1試合600万円の増収(1万席を指定席化と仮定)につながる。このように指定席化することでサポーターと運営の双方にとってwin-winの関係になることは容易に想像できる。

当然デメリットもある

指定席化してしまうことにデメリットも存在する。それは「客離れ」だ。フロンターレの応援を生きがいにしている人もサポーターの中には多く存在するだろう。筆者もその一人だ。もし、自由席をすべて指定席にしてしまい応援ゾーンがなくなってしまえば、それは「客離れ」を意味する。と言っても、応援ゾーンを無くすとは考えづらくゴール裏に応援ゾーンを移動させれば良い話なのだが、収容人数が少ない。さらに応援ゾーンだけを列抽選の対象とすれば、さらに列抽選はし烈を極めることになり、チケットの争奪戦も過熱しかねない。

もし可能なのであれば、三協フロンティア柏のように「熱帯地帯」を作り、ゴール裏の2階席も応援ゾーンにしてしまえば良い。1階席と2階席の両方を合わせて応援ゾーンにしてしまえば、幾分か実現は可能なものになるだろう。

といっても等々力は老朽化が進んでおり、2階席での飛び跳ねての応援は禁止されている。そのため今の等々力では実現できないし、改築計画を参照しても「増設」に留めていることから、改築しても2階席で飛び跳ねることは難しいだろう。

まとめ

さまざまな角度からホームA自由を指定席化することはどうかと考えたが、やはり難しく筆者は「否」という答えを提示する。確かに指定席化してしまえば、ある程度の混雑緩和や収入アップなどメリットも大きい。しかし、その反面で応援できなくなってしまいチームを去ってしまうサポーターも出てきかねない。

この問題は”答えがない問題”といっても過言ではないだろう。もし、このブログを見ている方の中で「こういうのは?」という意見がある方はコメントをください。筆者が確認をして「面白そう!」と思ったものは取り上げさせていただきます。


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