【募る不信感】天皇杯2回戦のPKやり直しは本来必要なかった

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(Photo by 足成)

6月15日、天皇杯2回戦で名古屋グランパスを下した奈良クラブが声明文を発表した。その中には「審判のルール適用ミスにより奈良クラブを敗戦とする」という通達があったことが明らかになり、選手たちは”絶望”の淵に立たされたままJFLの試合を戦っていたと明かされている。なぜこのような事態が起こってしまったのだろうか。

 

主審の判断ミスが大きな原因

6月に行われた天皇杯2回戦名古屋グランパスvs奈良クラブの試合。1-1で試合は終了し、決着がつかなかったことからPK戦で決着をつけることになった。問題のシーンは奈良クラブの40番の選手がキックをする時だ。

彼は助走中にフェイントと疑われるような行為を行い、主審から”やり直し”の指示を受けていた。本来、PKにおけるフェイントは”失格”扱いにならなければいけないのだが、主審はそのルールの適用を忘れ、失格にしなかった。結果、名古屋グランパスは破れ、奈良クラブジャイアントキリングといわれていた。

後日、日本サッカー協会あてに一般の方から「あれはルール違反ではないのか?」と問い合わせが来て発覚。サッカー協会は、40番の選手の行為を”フェイント”と認定し、奈良クラブの敗戦を通達した。

しかし、それでは不公平であることから委員会で多数決を行い、前代未聞の”PK戦やり直し”を決めている。詳しくは以下のリンクから確認してください。

 

tanu-f.hateblo.jp

審判委員会の見解は「フェイントではない」

後日、ルールの適用ミスを犯してしまった主審に対し、処分を決める委員会が開かれた。そこで出た言葉は

奈良クラブの40番の選手はフェイントではない」

という言葉だった。つまり、主審がフェイントと判断したために、日本サッカー協会は「フェイント行為が原因でやり直しが決まった」と発表したが、審判委員会は「フェイントと判定した行為が誤りだった」ということになる。つまり誤審。

今回のケースは誤審の上に成り立ったやり直しであり、もし主審の誤審が明らかになっていればやり直す必要がなかったことになる。なぜ日本サッカー協会は審判委員会と連携せずに、勝手な判断を下したのだろうか。

日本サッカー協会天皇杯実行委員との協議をおこなったとしているが、審判委員会との協議は行っていない。もし審判委員会との連携を行っていれば、やり直しをする必要はなかった。これでは奈良クラブの選手が報われない。

日本サッカー協会ハリルホジッチ監督の一件など、2018年に入ってからさまざまなトラブルを起こしている。いい加減、Jリーグサポやサッカーファンからの不信感に気づき、処分を決めていかないといけないのではないだろうか。

※本記事は個人の見解を述べたものです。所属する団体の意見ではありません。また誹謗中傷をする場合は法的措置なども検討いたしますので予めご了承ください。