【チケット転売問題】後援会先行販売で完売!神戸戦のチケットは高値へ

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(出典:Jチケ)

2018年9月30日午前10時、Jリーグチケットのホームページはアクセスが集中した。この日は、10月20日に行われる「川崎フロンターレvsヴィッセル神戸」の後援会先行チケットの発売だ。

世界的大スター、イニエスタの来場・出場に期待が集まり「イニエスタを観たい」という後援会会員がチケットに飛びついた・・・という話ではないようだ。この話について今回は深く追求していきたい。

 

 

チケットは開始3分で完売

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 午前10時、後援会会員先行でチケットが発売された。この日発売されたチケットは、アウェイ(ビジター側)を除く全席種。一番人気は手ごろな指定席のメインSやピッチサイドシートだろう。いつもであれば、ピッチサイドなどイベント系の指定席が完売し、その後、メインSなどと続き最後にホーム自由Aが完売するのだが、この日だけは一斉に全てのチケットが無くなった。

 10月3日、クラブは「前売りチケット一部完売のお知らせ」を出した。つまり、一般販売(10月6日)を前に神戸戦のチケットの販売が終わったのである。残すのは、アウェイ自由席とアウェイ指定席のみ。どちらも瞬殺だろう。

 

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プリセールは開始30秒で完売

 10月4日午前10時より、チケットぴあにてヴィッセル神戸戦のアウェイ側プリセールが実施された。枚数限定での発売だったため、瞬殺の予想は的中。開始30秒で売り切れた。筆者がなぜプリセールに参加していたのかというと、神戸サポの友人に頼まれたからである。転売を行う気はサラサラなく、「定価+チケットぴあに支払う手数料」で請け負った。

 話がそれたので、元に戻そう。プリセールは一般発売と同じ扱いになるため、誰でも購入ができる。そのため、後援会先行よりも早く売り切れたと推察した。おそらく「転売屋」が購入したとも。

 その予想も的中した。10時5分、チケットストリートにアクセスし、調べた結果、「ビジター自由席 1枚」など多数出品されていたのだ。明らかな転売目的での購入だといえる。チケットぴあの規約でも「転売目的の購入は禁止」と書かれていても、抑止力はなく転売目的で代えてしまうのが現状だ。

 

本当に見たい人が見られない試合になる

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 後援会先行で販売されたチケットは、その後、チケットストリートやメルカリなど2次流通サイトで高額転売された。1枚1,900円のホーム自由席は1枚5,000円以上で出品。この試合は後援会無料招待券の対象試合だったため、そういったチケットも含まれていた。さらに、川崎朝日会招待券も転売の対象だった。ヤフオク!に出品されていた川崎朝日会招待チケットは、1枚1,500円で入札スタート。現在も価格は上昇を続けており6,000円台に迫る勢いだ。

 10月6日(土)午前10時、チケットぴあでvs.神戸戦の一般発売がスタート。すでに後援会会員先行販売でホーム側のチケットは完売していたことから、チケットぴあではビジター側のチケットのみ扱われた。

 開始1分、画面に表示された「予定枚数終了」の6文字。無機質な画面に映し出された「6文字」は多くの人の感情が含まれていたことだろう。チケットが手に入った「喜び」、手に入らなかった「悲しみ」そして、転売することによって生じる利益を得られる「喜び」。2つの「喜び」は漢字は同じでも込められている意味が異なる。

 試しにチケットストリートにアクセスをしてみた。そこに表示されていたのは「ビジター側自由席 1枚5,000円」というもの。開始1分も経たずに完売したチケットはすぐにチケット2次流通サイトへ流れていった。

ビジター側自由席の価格は1枚2,300円。仮にチケットストリートにて1枚5,000円で購入すると、転売主には2,700円も利益が入ることになる。ビジター側自由席以上の券種(指定席など)を購入しようとすると、1枚1万円以上に跳ね上がる。正直いって「異常事態」と言えるだろう。

 

抽選販売を取り入れれば良かったのでは?

 今回、vs.神戸戦のチケットを販売するにあたり川崎フロンターレは「フロチケ(Jチケ)・チケットぴあ・セブンイレブンマルチコピー機」の3つで扱うことを明言していた。併せて、「後援会会員先行販売で完売した場合は、一般発売はない」ということも。

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 クラブとして指定席のダブルブッキングを防ぐ取り組みはしていたが、転売に対する取り組みはしていなかったといえる。今年より、後援会会員先行販売では1人あたり4枚まで購入できる仕組みが採用された。

これにはすでにチケットを持っているシーチケホルダーも含まれる。つまり、シーチケホルダーの方がvs.神戸戦のチケットを転売目的で購入しようとした場合、最大で「シーチケ1枚+Jチケ4枚+後援会引換券2枚」の合計7枚取得できる計算になる。

 1枚1,900円のホーム自由席のチケットを1枚5,000円で7枚販売した場合、35,000円の売り上げとなり、諸経費を差し引いても27,400円(シーチケ・後援会引換券は0円で算出)の利益を上げられる。

 今回、クラブがすべきことは「抽選販売」だったのではないだろうか。事前に購入希望者を集い、抽選で販売をしておけば平等にチケットの分配ができたはずだ。

そして、転売した後援会会員は次年度以降、会員資格停止にする処分を科せば良いのではないか。最も、個人を特定することは困難を極めるため、現実的な案ではない。となると、やはり「抽選販売」が妥当と結論づけられる。

 現在、J1で首位を走る川崎フロンターレ。このまま行くと12月1日のホーム最終戦では2連覇を達することになるだろう。またチケットの争奪戦が始まり、高値で売買されると容易に想像がつく。それこそ、抽選販売を試験的に導入し、試合に行けなくなった場合はクラブが返金をして、再販売するシステムづくりをクラブには要請したい。

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