「控え組」が活躍したパラグアイ戦。W杯でこの経験は生きない

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6月12日、ロシアワールドカップ前の最後の親善試合を行った。相手はパラグアイパラグアイはワールドカップこそ出場しないが、FIFAランクは日本より上位の32位。そんな強豪チームに西野JAPANは4-2で勝利した。なぜ勝利できたのか。その要因を分析していきたい。

 

システムは4-2-3-1

この日、日本のフォーメーションは4-2-3-1と前節vsスイス戦と変わらないシステムで強豪パラグアイに挑んだ日本代表。パラグアイはエリア外からゴールを狙ってくるため、守備陣の初期対応がキーなるとされていた。実際、パラグアイは前半にエリア外から放ったシュートがゴール右隅に決まり1-0でリードして前半を終えている。

日本代表は前半リードされてから主導権を握れなくなり、シュートチャンスはあったものの同点弾を決めることができなかった。

日本代表が”らしさ”を吹き返したのは乾の同点弾だった。51分に香川からのアシストをうまくゴールに決め1-1の同点に持ち込む。12分後の63分には、同じく香川の落としをゴール右隅にコントロールシュート。キーパーが触れるも勢いを殺すことができず、そのままゴールに吸い込まれ日本が逆転。

後半になりパラグアイの運動量が落ちてきたこともあるかもしれないが、攻撃と守備のバランスが取れはじめ日本が攻勢に出始める。中盤では柴崎がうまくボールを散らしチャンスメイクすると守備では昌子が奮闘し、相手に決定機を作らせなかった

またGK東口は前半で退き、後半から中村が入った。GKの途中交代ではコンディション調整が難しく、最初は安定感を欠くことが多いのだが、そこは中村。最初から安定感抜群だった。もしかすると本戦も衰えが見えている川島より中村の方が良いかもしれない。

結局、相手のオウンゴールや香川のゴールが決まり、4-2で日本代表はパラグアイに勝利した。パラグアイはW杯に出場しないため、モチベーションが低かったように見受けられた。プレスも遅く、そこまできつくなかった。本選前のこの経験は生きないかもしれない。

控え組が活躍した試合

この勝利はほとんどが「控え組の活躍」といっても良いだろう。前節のスイス戦からメンバーがガラッと変わっている。今日の試合の中に”本田圭佑”という名はなかった。ガーナ戦の時、彼は途中でゲームを退いている。気づいただろうか。

本田圭佑が居ないほうがボールが回っている

ということに。実際、ガーナ戦でも本田がベンチに退いてからボールの流れが良くなっていたし、今節も最初からスムーズにボールが回っていた。最もパラグアイ戦では香川のコンディションが良く、柴崎×香川という絶妙なコンビネーションがうまく絡みあっていたからそう見えただけかもしれないが。

しかし控え組がスタメン組を上回ってしまったことは想定外かもしれない。おそらく西野監督はスタメン組が累積警告や退場などで出られない場合の予備メンバーとして控え組を招集しているはずだ。しかし、控え組がスタメン組の実力を上回ってしまうとなると話は変わってくる。

何しろ本田を入れなければボールがスムーズに回り、シュートも増える。特に柴崎はチャンスメイクができるため、実際に長短のパスを繰り広げチャンスをアシストしていた。そこに大島の広い視野が加われば中盤は無敵となる。中盤の選手は攻撃と守備の両面で実力を求められるが、本田が守備に戻っていたということは想像しにくい。というよりゆっくり戻っていたような感じを受ける。

西野監督がどのような人選をするかは分からないが、おそらく本田はスタメンに名を連ねるだろう。そして乾はスタメン確実だ。FWに岡崎が入ればチームとしては完成度が増すだろうが、岡崎は宇宙開発シュートを放つなど失望要素も多い。

不安要素ばかり抱えている西野Japanはロシアへ向けて旅立った。来週から本戦が始まる。下馬評を覆すような試合を見せてくれることに期待したい。

 

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